東京商工リサーチは、8月上旬に実施した企業向けのカスタマーハラスメントに関する調査結果を発表しました。
この調査は、インターネットにより、2024年8月1日から13日までの間、5,748社から回答を得て集計・分析されたものです。
貴社で直近1年間にカスタマーハラスメントを受けたことがあるかどうかでは、「ある」19.2%、「ない」80.8%という回答であり、また、企業規模別の分析から大企業ほどカスハラ被害を受けており、企業規模が大きいほど取引先や顧客が多くなることでクレームに接する機会が多くなると分析しています。
カスタマーハラスメントを受けたことがある企業に、カスハラ被害により従業員の退職や休職が発生したかどうかでは、「休職が発生した」4.3%、「退職が発生した」5.4%、「休職と退職が発生した」3.8%、「退職や休職には至らなかった」86.4%という回答でした。
カスタマーハラスメント被害を受けた内容はどのようなものであったか(複数回答)では、「口調が攻撃的・威圧的だった」73.2%、「長時間(期間)にわたって対応を余儀なくされた」50.1%、「大きな声を上げられた」39.0%、「一方的に話し続けられた」37.5%、「過度に謝罪を要求された」24.5%、「自社担当者の人格否定があった」24.1%などの回答がありました。
貴社ではどのようなカスタマーハラスメント被害への対策を講じているか(複数回答)では、「特に対策は講じていない」71.5%、「従業員向けの研修を行った」12.4%、「従業員向けの相談窓口を設置した」8.8%、「カスタマーハラスメントの対応方針(に類するものを含む)を策定した」6.4%、「録音・録画機器を設置した」5.5%などの回答がありました。
7割超の企業がカスハラ被害への対策を講じていなかったことにつき、“現場の社員に対応を任せ、会社として組織的な対策は広がっていない”と分析されています。