厚生労働省は、年金制度の改革に向けて、検証する5項目を公表しました。(日本経済新聞、2024年4月17日(水))
検証する5項目は、次のものです。
- 被用者保険の更なる適用拡大・・・企業規模要件や個人事業所における非適用業種の適用範囲を拡大した場合、賃金要件や労働時間用件等について一定程度働く被用者をすべて被用者保険の適用対象とした場合
- 基礎年金の拠出期間延長・給付増額・・・基礎年金の保険料拠出期間を現行40年(20際~60歳)から45年(20際~65歳)に延長し、拠出期間が延びた分に合わせて基礎年金の給付を増額する仕組みとした場合
- 基礎年金の給付抑制を早期停止・・・基礎年金と報酬比例部分に係るマクロ経済スライドの調整期間を一致させて基礎年金の給付抑制を短くした場合
- 在職老齢年金制度の廃止や緩和・・・就労して一定以上の賃金を得ている65歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、老齢厚生年金の一部または全部の支給を停止する仕組みの廃止や緩和をした場合
- 標準報酬月額の上限上げ・・・厚生年金の保険料の基準となる標準報酬月額の上限(現行65万円)の見直しを行った場合
記事には、実現への課題として、事業主の拠出増、低所得者の負担感が大きい、財源の確保、影響を受ける高所得者からの反発などが挙げられています。